眼球の前方にある組織(角膜から水晶体まで)の3次元断層撮影が可能な最新式の前眼部OCTです。
従来では観察が困難だった混濁症例の場合でも、撮影および観察が可能であり病態の診断精度が向上しました。
白内障手術前後の検査や角膜混濁、円錐角膜などの角膜疾患の検査、閉塞隅角など緑内障検査に有用です。
非接触のため侵襲性も少なく、前眼部の詳細な画像が簡便に描出できるため、適切な治療方針の決定に役立ちます。
角膜形状解析
角膜形状を詳細に解析することで様々なデータとして活用することができます。
フーリエ解析では乱視のパターンだけでも、Asymmetry(非対称成分)やHigher order irregularity(高次不正乱視成分)などに分類して抽出することができ、この2つは眼鏡やトーリック眼内レンズでは矯正できない角膜不正乱視です。
これらは矯正視力の低下に繋がりますが、原因がやや分かりづらく、これらを把握することで白内障手術前のプレミアム眼内レンズの適応判断にも有用な情報となります。
また円錐角膜が疑われる方の場合でも詳細な解析が可能となり、特殊なコンタクトレンズの処方にあたり正確に適切なレンズを選ぶことができます。
■角膜形状解析
■フーリエ解析
白内障術前術後の検査
<白内障術前検査>
眼内レンズの適応判断を確認する際に役立ちます。
角膜形状の解析、乱視矯正も可能なレンズや多焦点眼内レンズなど、プレミアムな眼内レンズが適応かを確認する時に必要な情報を得ることができます。
また、角膜厚、水晶体厚、前房深度を知ることで手術の難易度などを予測することにも繋がります。
<白内障術後の経過観察>
白内障手術後の眼内レンズに傾きがないか、正しい位置に挿入されているかを確認することが可能です。
手術前後での隅角の状態や角膜形状を比較することも可能です。
■水晶体形態解析
隅角の形状解析 閉塞隅角緑内障や開放隅角緑内障の検査では、OCT像による観察診断だけではなく、隅角開大度(AOD)や隅角角度(TIA)、水晶体膨隆度(LV)等による数値での評価が可能です。
隅角が狭い方の場合、眼内を満たす房水が排出される際の抵抗となり、眼圧が上昇し急性緑内障発作を起こす危険性があります。CASIA2では、全周(360°)の隅角開大度を画像、数値、チャートで表示し、急性緑内障発作のリスクをより明確に判断できるようになりました。
急性緑内障発作のリスクのある方の場合、白内障手術やレーザー治療が根本治療として有効になります。
明確な画像所見やデータを得られることで、患者様への説明も分かりやすく納得できる内容になるかと思います。
■正常な隅角(左)と狭隅角(右)の比較
ICL術前術後の検査
ICL(眼の中にレンズを挿入し、屈折矯正を行う)という手術においては、レンズのサイズ選定が非常に重要となります。CASIA2では、NK式とKS式の2つの式でレンズサイズの結果が表示されるため、より正確なレンズサイズを選定することができるようになりました。
ICLのメーカーもCASIAでの検査を実施してICLのサイズ選定をすることを推奨しています。
術後もICLが狙った位置に正しい形状で挿入されているかを画像で確認することができ、矯正効果の確認と術後の副作用の有無の確認にも繋がります。
■ICL術後